top of page

【保存版】日本郵便で不良品を返品するときの関税・消費税 還付手続 




はじめに



海外から輸入した商品が不良品だった…。BUYMAなどで海外商品を取り扱っていると、残念ながらこうしたケースは決して珍しくありません。


ところが、多くの方が「返品はできても、輸入時に支払った関税・消費税を取り戻す方法がわからない」ために、そのまま損をしてしまっているのが実情です。


実は、所定の手続きを踏めば 関税・消費税は還付(返金)を受けることが可能 です。本記事では、日本郵便(EMS・国際小包)を利用して返品する場合 を例に、返品から還付までの流れ・必要書類・注意点を整理しました。


また、実務でそのまま使える 「還付申告書の記入例」や「不良品返品・関税消費税還付手続きチェックリスト」 もご用意しています。ぜひお役立てください。





1. 税関の立場から(関税・消費税の還付手続)



返品の際は 「関税等の減免・還付制度」 を利用します。正式には「関税法第7条」等に基づく「輸入品の返還に伴う関税等の減免・還付」です。


還付の基本条件


  • 輸入した商品が不良品や誤送品などで 未使用のまま返品 すること

  • 輸入後6か月以内 に返品すること(例外あり)

  • 関税・消費税をすでに納付済みであること

  • 国内で使用・販売していないこと


必要書類(代表例)


  • 還付申告書(所轄税関に提出)

  • 輸入許可通知書(課税時のもの)

  • 納税申告書または納税通知書(納付額の証明)

  • CN22/CN23(税関告知書)の控えや受付証明(輸出証明)

  • インボイス・パッキングリスト(輸入・輸出両方)

  • 不良品であることを証明する資料(相手先とのやり取り、返品依頼書、写真など)


👉 書類が不十分だと還付が認められません。輸入と輸出が「同一貨物」であることを明確にするのがポイントです。



2. 日本郵便を利用する場合の流れ(実務)



手続きの流れ


  1. 不良品の確認 → 仕入先に返品承認を依頼

  2. 郵便局で返品発送(EMS・国際小包)

  3. CN22/CN23(税関告知書)に「Return Goods」と明記

  4. 外郵(国際郵便交換局)で税関が事前検査・照査

  5. 輸出証明(受付証明やCN22/CN23控え)を入手

  6. 輸入許可通知書や納税証明とあわせて還付申告書を作成

  7. 所轄税関へ還付申告書を提出

  8. 税関による審査 → 還付金入金



3. 注意事項



  • 還付期限:輸入から6か月以内(原則)。遅れると認められない

  • 消費税も還付対象:関税だけでなく輸入時に課された消費税も返ってくる

  • 不良品の証明:写真・メール・返品依頼書などを揃えるとスムーズ

  • 代替品輸入時:別途輸入する代替品には再度関税・消費税が課税される





還付申告書(記入例)



これは税関に提出する正式書類です。形式は「還付申告書(関税法第7条関係)」と呼ばれます。



📄 還付申告書(サンプル)


【提出先】〇〇税関長 殿


還付申告書


1.申告者(還付を受ける者)

 住所:東京都〇〇区〇〇町1-2-3

 氏名:株式会社〇〇〇〇

 代表者名:代表取締役 山田太郎

 電話番号:03-1234-5678


2.還付の原因

 令和〇年〇月〇日に輸入した下記貨物について、不良品であったため

 令和〇年〇月〇日に外国の仕出人に返品輸出したもの。


3.還付対象貨物の明細

 輸入許可年月日:令和〇年〇月〇日

 輸入許可番号 :ABC12345(インボイスNo.1234)

 輸入貨物名  :電子部品(Defective electronic parts)

 課税価格   :100,000円

 納付関税額  :5,000円

 納付消費税額 :10,000円


4.還付対象輸出の明細

 輸出許可年月日:令和〇年〇月〇日

 輸出許可番号 :XYZ67890

 輸送手段   :DHL(AWB No.123-4567-890)

 輸出貨物名  :返品品(Return of defective goods)


5.還付申告額

 関税 :5,000円

 消費税:10,000円

 合計 :15,000円


6.添付書類

 (1) 輸入許可通知書の写し

 (2) 納税申告書(納付額の証明)

 (3) 輸出許可通知書の写し

 (4) DHL航空運送状(AWB)

 (5) インボイス(輸入・輸出)

 (6) 不良品証明資料(仕出人の返品依頼書、写真等)


令和〇年〇月〇日

申告者:株式会社〇〇〇〇

代表者:山田太郎 印



📌 書き方のポイント

  1. 輸入許可番号・輸出許可番号・AWB番号 を必ず記載 → 「同じ貨物」であることの証明。

  2. 還付対象額の内訳(関税・消費税) を明確に記入。

  3. 添付書類 を揃えるのが最重要(不足すると差し戻し)。

  4. 提出は 輸入時の通関をした税関 宛て。 (例:成田税関で輸入したなら成田税関に申告)





チェックリスト(日本郵便版)



【1. 不良品の確認・準備】


  • 商品受領後に不良品を確認・写真撮影

  • 仕入先へ返品の意思を連絡

  • 返品承認書(RMA)や依頼メールを保存


【2. 郵便局で返品手配】


  • EMS・国際小包で発送

  • CN22/CN23に「Return Goods」と記載

  • 郵便局で受付証明を取得


【3. 還付申告書の作成準備】


  • 輸入許可通知書(輸入時)

  • 納税申告書・納税通知書(関税・消費税額の証明)

  • CN22/CN23控え(返品証明)

  • インボイス(輸入・輸出)

  • 不良品証明資料(写真・返品依頼書など)


【4. 還付申告書の作成・提出】


  • 還付申告書を作成し、輸入時の税関に提出

  • 税関から照会があれば追加資料を提出


【5. 還付金受領】


  • 税関の審査完了 → 還付決定通知

  • 指定口座に関税・消費税が振り込まれる

コメント


bottom of page